星空のメモリア -Wish upon a shooting star-

ファンディスク発売決定もしている星空のメモリアを今更ながらやったのでレビューでも書いてみた。
ネタバレ爆発なので気になる方は回避してください。


星空のメモリア

星空のメモリア

シナリオ

まず共通ルートが結構長い。その後の個別ルートも数も多く尺も結構あるので
全体としてかなりのボリュームがある作品でした。
2週目以降は共通パートをスキップしないと時間がかかってしまうんでその辺りは少し面倒だったかも。


メアや展望台の彼女の正体等シナリオ全体に張り巡らされた伏線があり、各ルートを攻略するたびに少しずつ真実が明かされていく構成は見事。
日常パートでは千波をはじめコミカルな展開が多く、天丼ネタが満載で笑えます。たまに入るSDキャラのカットインも可愛い。
主人公も今のご時世何故か多いヘタレ主人公では無く行動力のあるキャラで好感が持てるっていうのも個人的にポイント高し。


全体的にセックルはルート中盤から後半にかけて集中している傾向有り。
んでは個別の感想へ。

明日歩ルート

THE純愛。その一言に尽きる。


告白以前から好きオーラが駄々漏れ系幼なじみキャラの王道のストーリー。CV:佐本二厘さんの幼なじみキャラは良い味出してて強いなぁ…。
多分一番の山場である屋上で洋に展望台の彼女の名が書かれた栞を渡し、メアに悪夢を刈られ栞が消え仲直りした時は「あれ?」と思いましたがw
実際にあの場で悪夢を乗り越えたのは洋であって明日歩では無い……はず。
まぁ展望台の彼女の栞を渡し、改めて自分の中の想いを伝えたという事で悪夢を乗り越えたとも言えるかもしれませんが。


その後意外だったのが耳が聞こえない事からの家族間の蟠りという悪夢もあったと言う事。
ヒロインの身体障害属性で視覚や歩行障害等はまだ見た事があると思うんですが、聴覚異常はあまり聴いた事が無かったのでビックリでした。
その辺りのシナリオはそれほど重い話にならずにあっさり解決したのも純愛ゲーっぽさ?かも。

こももルート

THEツンデレ。その(ry


金髪ツインテールの巫女さん。色々と属性を纏めたキャラですが、宮沢ゆあなさんが上手く演じてられてました。
こももが見る毎晩空から落ちて地面に叩きつけられ死ぬ悪夢をプレイヤーに何度も見せる事でこの娘、実は死んでるんだぜグフフ的な展開。
もうミスリード臭しかしなかった…。
その後、洋に安息を求めべったりしだしてからはもうニヤニヤが止まらないwお姫様だっこは男のロマン
またどれだけ深刻な展開でも秀麗なCGでは思いっきり縞パンチラしている辺りもご愛敬ですよね。


衣鈴ルート

こももルートで空気だった一年生組に出番が。このルートは恋人への持って行き方に激しい違和感を感じた。
プラネタリウムでのキスの時は衣鈴の想いがここまで傾いているとは思わなかったので、ここでするとは予想外でした。
後ここで主人公の父親が科学館の元館長である事が明らかになりますが、あまり掘り下げられませんでしたね。親父なんだからもっと会話しようぜ洋。


後半メアが衣鈴の南天の星空に依存する悪夢を刈り、見えない望遠鏡が砕け散る。
このシーンで気がついたんですがメアは悪夢そのものを刈るというよりも悪夢に縛り付けるモノを刈ってるよね。後で書くかも。
その後の主人公への依存と逃避は他人との接触を拒むキャラにありがちな展開。素直になれなかった個別前半とのギャップは良い。


洋がいればそれで良い。もう離れたくない。振り向いて欲しい。ずっと見ていて欲しい。私の事を一番に想って欲しい。


こういうキャラは個人的に大好きですw
しかも敢えて頑なに突き放す洋にシビれる。このエンディングは衣鈴ENDというよりも衣鈴と千波の友情ENDの様な気が。


こさめルート

正直こももと似た流れで伏線回収が特に無くパッとしない。
星や隕石によって与えられる電磁波・死に近づく事でなれる夢幻状態という後々重要になるピースをプレイヤーに与える為のルート。


夢幻状態で膝枕される洋とこさめのCGを見てSHUFFLEを思い出したのは俺だけでは無いはず。


千波ルート

星空のメモリアという作品を楽しむ為に欠かせない存在である千波。逆を言えば千波が嫌いなキャラであるならば星メモは楽しめないかもしれない。
ルート自体は各ヒロインの中でもかなり短いように感じた。このルートも衣鈴と同じくセックルへの入り方に違和感が少々。
異父兄弟で血のつながりがあるけれども近親相姦というタブーを犯している苦悩とかが特に無かった事も違和感の一つ。
まぁ妹キャラで可愛いので、こまけぇことはいいんだよ!(AA略


シナリオは千波だけではなく親代わりの詩乃さんの親として見てもらえない葛藤や母親を中心とした大河・レンを含めた話から千波ENDというより家族ENDと言えるのではないかな。


夢ルート

最後の最後で出てくるお姉さんぶった年上キャラ。もう辛抱たまらん。
正直このエンディングを迎えたら人気投票で夢が1位になった理由が判ると思う。
過去に起きた悲恋と同じ展開を繰り返す主人公と夢。メアの犠牲と母親の力によるループ。メアとレン・娘星とデネブ。
今まで明らかにされなかった事が一気に回収されるのは鳥肌モノですよね。
最後の3人で天体観測をするシーンで語られるのはまさに「星空のメモリア


メアルート

夢ルートでグランドエンディング後に解放されるルートではあるんだが、これはFDに入れてもよかったんじゃないかなと思う。
語る要素が特にないw飛鳥の妹は最後まで立ち絵も伏線回収も無しのキャラでしたがどうやらFDでは語られるらしい。
フルコンプ後、Albumの最後の???がおまけシナリオかと思って期待したらバストショット集でちょっと凹んだ。

余談

メアの鎌


ルーン文字で「oblivion」と書かれてます。「忘却」という意味。

メアが刈った悪夢
洋  →乙津夢の名前
明日歩→展望台の彼女の名が書かれた栞
こもも→こさめが死んだという記憶
衣鈴 →見えない望遠鏡


ここで前述のお話。
洋とこももが刈られたのは記憶なのに対して明日歩、衣鈴が刈られたのは栞と望遠鏡のオブジェクト。
悪夢を刈る行為が悪夢自身を忘却させる事を示しているのであれば、後者のヒロイン達が刈られた際に未練を残している事から矛盾が発生する。
物自体が悪夢でありそれを刈ったのであれば物自体の記憶すら無くなっているはずなのに。


という事からメアは悪夢そのものでは無く悪夢に縛り付けるモノを刈ると言える。忘却させる事によって悪夢を乗り越えるきっかけを与えている。


主人公を取り巻く3組織とスマガの3組織の類似性

※※これは私の妄想です※※


なんて事をふと考えてみた。